
監督:ポン・ジュノ
出演:キム・ヘジャ/ウォンビン
上映が今週いっぱいとなり、どうしても観たくて
シネカノン有楽町に
「母なる証明」を観に行った。
面白かった…。★★★★★
意外なエンディングで、これまたグッときた。
薬草を売って暮らす母と息子の住む小さな街で、ある日女子高生が殺される。知能障害のある息子トジュン(ウォンビン)は自身の釈明もできず、事件の容疑者として逮捕されてしまう。息子の無実を信じる母は、ひとり真犯人を探し事件の真相に辿りつく。冒頭、野原でゆっくりと踊る母親から始まる。
彼女の表情やBGMから楽しげでない雰囲気は伝わる。
どこか虚ろな踊り。滑稽なのだけど、笑えない踊り。
何があったのかしら…?
ある程度内容は知っていたつもりだったけど、ぐいぐい引き込まれる。
つましく善人な母親は、少し息子に過保護気味だった。
息子は知恵遅れで、悪友ジンテ(
成宮寛貴似)との付き合いに、母親は息子が心配でたまらない毎日。
そんな息子が殺人事件の犯人に疑われ、母親はおろおろ。
弁護士に精神病院4年で手を打てと言われたり、ジンテを犯人と疑ってみたり。
ジンテに言われて、殺された女子高生の周辺を調べることになるのだけど、ここから女子高生の不幸な暮らしとともに徐々に犯人が判明する展開がドキドキさせる。
真犯人を知った母親のとった行為が悲しいのよ。
どこまでも母親で、自分の子供が一番。
そしてそんな母親も、ピンチのときに「お母さん!」と叫ぶ瞬間がある。
この母親の母親は劇中には登場しないし、年齢的にもこの世にいないのだろうけど、困ったときに「お母さん!」と言いたくなる気持ちってわかる。
私も言ったことあるし。もちろん直にじゃないけど^^
真犯人が捕まり日常の生活に戻るのだけど、ラスト辛い記憶や悲しい記憶を忘れさせる腿のツボを鍼で刺すシーンが良いですね。
ポン・ジュノ監督は、
「グエムル-漢江の怪物-」
(韓06年)を撮った方ですけど、テイストが違って驚きました。
「グエムル」も好きでしたけど、「母なる証明」のような人間ドラマも素晴らしいですね。
「母なる証明」は親子の心情のみならず、ミステリーとしても秀逸です。
母親役のキム・ヘジャンが素晴らしい。
「韓国の母」と呼ばれる大女優だそうですが、監督が絶賛する通り
目がとても印象的。
息子との暮らしが全てで少し愚かとさえ言える母親役を、どこにでもいそうな母親役が見事でした。
日本だったら、この役は…
倍賞美津子さんとか。ちょっとキレイ過ぎるかな。
ウォンビンは久しぶりの映画出演でしたが、純真無垢なトジュンがはまっていました。
今まで韓国のアイドル俳優くらいにしか思っていなかったのですが、良かったです。
締りのない口元も、良い意味で
いなたい感じも手伝って、完璧でした。
確かに小鹿のような目元は、庇護欲をそそられます^^
最近、子供が産まれた知人がまわりに多いのですが、やっぱり人って変わりますね。
この世に子供が生まれた瞬間から、人って親になるでしょ。
親である自分だけを頼りとする圧倒的に弱い存在。
子供の方は、いつか自分の世界へと旅立ってしまう。でも親は…?